「【事件】行政書士試験で、答案用紙紛失」

ネットでも取り上げられているので、既に知っている方も多いと思いますが、
昨日(17年12月11日)、(一財)行政書士試験研究センターより以下のような発表がありました。

(まとめると、)
徳島県の試験会場の答案用紙が、2名分紛失していることが発覚。
探したけど見つからないので、該当者2名に謝罪の上、年明けに再試験を行うというもの。

【関連リンク】
1.行政書士試験センターからのお知らせ

2.総務省からの発表

昔、ファイナンシャルプランナーの試験で試験問題が事前に漏洩していたという事件がありましたが(記事リンク)(試験自体は有効)、行政書士という、国家資格の試験でこういったことが起きるとは思いませんでした。

行政書士などの難関国家資格は年1回しか受験するチャンスがありません。
受験生は、試験日に「体力」「精神力」「知識力」がピークになるように受験しています。しかし、その反動で試験日を過ぎると詰め込んだ知識は、どんどん抜け落ちていきます(実体験上)。
再試験することになったと口で言うのは簡単ですが、そのために、もう一度知識力を戻すことは勿論、モチベーション的にも、非常に大変だろうなと思います。
(私だったら、それまでに費やしたコスト(時間、お金)を考えると、「紛失したので再試験をお願いします」なんて提案は、素直には受け入れられないと思います。)
(参考:「行政書士試験に合格しました」

実際、該当者の2名がどの程度の得点レベルだったのかは分かりませんが、
もし、手応え十分だったり、自己採点した結果、合格の可能性が高い人だった場合、再試験で不合格になったとしたら目も当てられません(パターン1)。

逆に、試験の出来が全然良くなかったり、或いは、元々合格水準まで達していないような人であれば、もう一度チャンスが貰えたと、前向きに捉えることも出来るかもしれません(パターン2)。

ネット上のコメントを見ると、
試験運営側のミスだから「その2人は合格にしてあげて」なんて意見もありましたが、国家資格ということを考えると、さすがにそれは現実的に無理なような気がします(特にパターン2のような人の場合)。

あとは、「試験問題は同じ問題で」という意見もありましたが、
大手資格スクールからすでに解答速報が発表されているので、その回答を暗記して挑めばどんな人でも楽々合格してしまいます。
それに、他の受験生から「さすがにそれは不公平だ」と不満が出るでしょう。

果たして、こういう国家資格の場合、万が一に備えて複数の試験問題を作っていたりするものなのでしょうか?
そうであれば、その未使用の試験問題を使えば解決できそうですが・・・。
それとも、年明けまでに頑張って試験問題を作るのでしょうか?
(どちらにしろ、本試験と再試験の難易度が違いすぎても、それはそれで問題になりそうです。)

いずれにしろ、試験センターが言っているように「(通常の受験生、紛失された受験生どちらにも)不利益が生じることのないように再試験がなされることを望むばかりです。

次に、問題の試験運営についてですが、
発表では、「同試験センターが各試験会場から送付された答案用紙の確認作業を行なった際に紛失が判明した」とのことです。
今のところ原因不明ということですが、再発防止策を講じる上でも、何としても原因究明して欲しいところです。

運営側の基本的な流れは、
(1)試験終了、回収(途中退席者は、退出時に回収)
(2)回収後、各教室で答案用紙の数確認
(3)各会場で答案用紙をまとめた後、試験センター(東京)に送付
(4)試験センターにて確認作業
という段取りになるかと思います。

発表では、試験センターに届いて確認作業をしている時に紛失に気付いたということは、(1)〜(3)のどこかで紛失したことになるでしょう。
(注:(1)と(2)は、ほぼ同時のタイミング)

(1)試験終了、回収について
一部ネットでは、「受験生が答案用紙を提出せず持ち帰ったのでは?」というコメントもありましたが、国家資格の場合、試験監督官等が直接机に取りに来てひとりずつ答案用紙を回収していくのが一般的だと思います(必ずではないですが)。
逆に、答案用紙を「後ろの席から、前の席に回して下さい」といったことは少ないと思います。
まぁ、その場合でも回収後すぐに答案用紙の数を数えれば問題はないはずです(後述(2))
ちなみに、途中退出者は、退出時に回収します。

(2)回収後、各教室で答案用紙の数確認について
教室ごとに「受験者数」と「答案用紙の数」を数えます。
数合わせが終わるまでは、受験生は教室から出られません(数のみだけではなく、受験番号も合わせて見ているかもしれません)。
なので、問題なく運営されていれば、試験終了時に答案用紙がないことに普通は気づくはずです。

仮に、数え方に問題があったとしても(雑に数えたなど)、
試験監督官+補助スタッフなど複数人体制なので、数が一致しない場合はすぐに発見されると思います。
ましてや、問題となった受験会場は、受験者が203名と少数ですから、(東京だと1万人を超えます。大都市だと2〜4千人。)、数が合うまで何度も数え直しすることが出来るはずです。

(3)各会場で答案用紙をまとめた後、試験センター(東京)に送付について
まず、「なぜその2枚だけ失くなったの?」と不思議に思ってしまいます。
基本的に答案用紙としてまとめて扱うはずなので、失くなるなら、「丸ごと?」、或いは「ある一定数?」、失くなりそうなものです。
(今後、「意図的に抜き取られた?」なんて疑いも出て来そうです。)
ただ、各会場から東京に送る前に、再度、答案用紙の枚数を数えないのか?とも思います。そうすれば、輸送中の事故(紛失)なのか、どうかもはっきりすると思いますし。

あとは、到着後、試験センター(東京)で紛失という可能性でしょうか?
その辺りは、発表からは読み取れませんでしたが。。。

今のところ、(1)〜(3)のどの段階でミスがあったのか定かではありませんが、ただ、この段階で関わっているのは、試験監督官や補助スタッフなどです。

私の知る範囲では、
試験監督官や一部の補助スタッフは、その会場地域に所属する「行政書士」が担当しています。(「社会保険労務士」、「中小企業診断士」の試験も、その地域の士業の方が基本的には担当。)

以前、試験監督官を担当した人から聞いた話だと、
本試験は、受験生の運命を左右する重要な日なので、
運営側も緊張するし、滞りなく行えるようにしっかり準備(試験前の案内や開始・終了の合図など)して臨んでいる、と言われていたことを思い出します。

人間なのでミスはつきものとはいえ、
こういった(おそらく)人為的なミスは極力なくすようにしてもらいたいものです。(管理体制の見直しのみならず、運営する側の真剣さや緊張感を持つといった気持ちの面でも是非)

ただし、誰かの手によって故意に抜き取られたとなれば話は変わります。

さて、色々と推測を交えて書きたいように書いてきましたが、
仮に試験運営側の人為的なミスであった場合

同じ士業として、そして受験生だったことを踏まえて言いたいことは、
受験生にとって、国家試験は1年に1度のチャンスです。
家庭や仕事の都合で受けたくても受けれない人もいます。
中には「受験できた」だけでも、ありがたいと思う人もいらっしゃいます。
試験に人生をかけている人もいますし、記念受験の人もいるでしょう。

ですが、運営側にはそんな受験者一人ひとりの内情は分かりません
だからこそ、試験の運営には当事者意識を持って真剣に取り組んで欲しいと思います。
こういった事件があると、「行政書士は・・・」なんて悪い風評が立ってしまいます。(これは、他士業でも同じことです。つい最近も、北海道で酔っ払った弁護士が、タクシー運転手に暴力を振るう事件がありましたね。)

その日の受験生達は、いずれ同じ士業として仲間になる方です。
やはり、自分達の後輩には誇れる「背中」、「仕事」を見せたいものではありませんか。

今回の事件、あってはならないことです。
他人事と思わず今一度自分自身を省みる機会にしたいと思っています。
どうか、再試験を受ける2名の方が、合格できますように。
(参考:「行政書士試験に合格しました」

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